「親のひざが曲がったまま伸びなくなってきた…」
在宅介護を行うご家族から、こんなお悩みをよく耳にします。
- 体を拭こうとすると、ひじが固まっていて痛そう
- 着替えの際に、腕が通らず困る
- ベッドから起き上がろうとしても、ひざが伸びず立てない
これは、関節が固まってしまう**「拘縮(こうしゅく)」という状態かもしれません。拘縮が進行すると、日常生活のあらゆる動作に支障をきたし、ご本人のQOL(生活の質)**を大きく低下させます。
しかし、拘縮は、一度進行してしまうと、元に戻すことが非常に難しい症状です。
なぜ拘縮は起こるのか?
拘縮の主な原因は、**「動かさないこと」**にあります。
病気やケガで寝たきりの状態が続いたり、脳梗塞の後遺症で麻痺が残ったりすると、関節を動かす機会が減ってしまいます。そのままの姿勢でいると、関節の周りの筋肉や皮膚、腱などが徐々に縮み、固まって動かせなくなってしまいます。
拘縮は、まるで氷が固まるように、少しずつ、しかし確実に進行していきます。
拘縮してしまってからのリハビリは「遅い」
「拘縮してしまってからリハビリを始めればいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、拘縮が進行して固まってしまった関節を元に戻すことは、非常に困難です。
専門のセラピストが介入しても、固まった関節を動かすには、強い痛みや負担が伴うことが多く、ご本人のつらいリハビリになってしまいます。また、拘縮によって、歩行や立ち上がりの訓練も思うように進まなくなり、自立への道が遠ざかってしまうのです。
「予防」こそが何より大切
拘縮は、なってしまってからでは遅い。だからこそ、**「予防」**が何よりも大切になります。
予防には、難しいリハビリや特別な道具は必要ありません。在宅でできる日々の**「小さなケア」**の積み重ねが重要です。
- 1日1回でも、動かす: 1日に数回、手や足の関節を、痛みのない範囲でゆっくりと曲げ伸ばししてみましょう。
- 正しい姿勢を保つ: 寝ているときや座っているときに、クッションやタオルを使って関節が不自然に曲がらないように支えます。
- 専門家の助けを借りる: ご家族だけでは難しい場合は、訪問マッサージやリハビリの専門家に相談しましょう。
訪問マッサージが担う「予防」の役割
訪問マッサージは、拘縮の予防に専門的に貢献します。
国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師が、ご自宅や老人ホームに伺い、以下のようなリハビリ的ケアを提供します。
- 関節の柔軟性を保つマッサージ: 固まりやすい関節周りの筋肉をやさしくマッサージし、血行を促進します。
- 無理のない運動療法: ご本人の状態に合わせて、ベッド上でできる簡単な関節の曲げ伸ばし運動などを行います。
当院の訪問マッサージは、秦野市・平塚市で、高齢者のQOLを守るための大切な予防ケアです。
まとめ
拘縮は、**「予防」**が何より大切です。
「親の関節が固まってきたかも…」と感じたら、まずは私たち専門家にご相談ください。在宅でできるリハビリ的ケアを始め、拘縮の進行を防ぎ、いつまでも快適な在宅生活をサポートします。
秦野市・平塚市にお住まいのご家族の皆さん、いつでもお気軽にご相談ください。