「リハビリをしようとすると、急に『やらない』と拒否されてしまう…」「着替えや食事の介助も、うまくいかない日が増えた」
認知症のご家族を持つ多くの方が直面する、共通のお悩みです。認知症は、記憶や判断力だけでなく、感情のコントロールにも影響を及ぼします。そのため、これまでできていたことでも、急に**「拒否」**されることがあり、ご家族は戸惑い、悲しい気持ちになってしまいます。
このような状況は、ご本人のQOL(生活の質)を著しく低下させるだけでなく、介護をするご家族の心にも大きな負担をかけます。しかし、認知症の方への在宅ケアは、触れ方や声かけを少し工夫するだけで、スムーズにいくことが期待できます。
なぜ認知症の方は「拒否」するのか
認知症の方が介護やリハビリを拒否するのには、いくつかの理由があります。
- 理解できない不安: 何をしようとしているのか分からず、不安や恐怖を感じている場合があります。
- 感覚の変化: 痛みや体の感覚が鈍くなり、今まで平気だった触れ方でも不快に感じることがあります。
- 混乱や不快感: 騒がしい環境や、急な動き、強い刺激によって、混乱したり、不快に感じたりすることがあります。
これらの理由から、認知症の方への在宅ケアには、ご本人のペースを尊重し、安心感を与えることが何よりも大切です。
平塚市で認知症の親を在宅介護しているご家族からは、「デイサービスでのリハビリは嫌がらないのに、自宅でリハビリを勧めると拒否される」というご相談をいただきました。これは、慣れた自宅だからこそ、ご本人が正直な感情を出している証拠でもあります。
タッチケアと声かけの工夫
認知症の方の「拒否」を和らげるには、タッチケアと声かけが有効です。当院の訪問マッサージでも、この点を特に大切にしています。
- 安心を作る順序: いきなりマッサージを始めるのではなく、まず「これから体を少し触りますね」と声かけをします。そして、いきなり痛む場所を触るのではなく、手や足など、抵抗の少ない場所からやさしく触れ始めます。
- やさしい声かけ: 穏やかで落ち着いた声で、「気持ちいいですね」「あったかいですね」などと声をかけながら、ご本人の反応を注意深く観察します。
- 刺激の量を調整: その日の気分や体調に合わせて、マッサージの強さや時間を調整します。少しでも嫌がる素振りが見られたら、すぐに中止します。
これらの工夫は、ご本人の不安を和らげ、リハビリをスムーズに進めるための第一歩となります。
短時間・小さな成功体験の積み重ね
認知症の方のリハビリは、長時間の訓練よりも、短時間で小さな成功体験を積み重ねることの方が大切です。
- 簡単な目標を設定: 「今日はベッドから起き上がってみよう」「椅子まで歩行してみよう」など、できることから始めます。
- 成功体験を褒める: うまくいったときには、「すごいですね!」「上手にできましたね!」と、心から褒めてあげましょう。この成功体験が、次のリハビリへの意欲につながります。
秦野市で訪問マッサージを受けている高齢の患者様からは、「以前はリハビリを嫌がっていたけど、マッサージを始めてから、『今日はお風呂に入ろうか』と自分から言う日が増えた」という嬉しい声をいただきました。これは、小さな機能訓練の成功が、ADL全体への意欲につながった良い例です。
訪問マッサージと病院リハビリの役割の違い
病院でのリハビリは、主に急性期に集中的な機能回復を目指します。一方、訪問マッサージは、退院後も在宅で継続的に機能訓練を行う役割を担います。
- 訪問マッサージの役割: 国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師が、ご自宅や老人ホームに伺い、穏やかなタッチケアで筋肉や関節をほぐし、リハビリ的な機能訓練を行います。
- 病院リハビリとの連携: 病院のリハビリ内容と重複しないよう、主治医やケアマネージャーと連携をとり、在宅でのリハビリ計画を立てます。
まとめ
認知症の方へのリハビリや介護は、「拒否」という壁にぶつかることがあります。しかし、タッチケアや声かけ、そして在宅での小さな工夫を続けることで、ご本人の不安を和らげ、QOLを維持することが可能です。
平塚市・秦野市を中心に活動するやよいマッサージ治療院は、国家資格者がご自宅までお伺いし、医療保険を利用した訪問マッサージで、ご本人とご家族の不安に寄り添います。
「認知症の親と、穏やかな在宅介護を続けたい」
そう願うあなたを、私たちは全力でサポートします。お気軽にご相談ください。