「食事中にむせることが増えた」「飲み込みにくそうで、食事に時間がかかるようになった」
このようなお悩みは、高齢者のご家族が介護で直面する深刻な問題です。嚥下(えんげ)機能の低下は、食べ物や飲み物、唾液が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクを高めます。誤嚥性肺炎は、高齢者にとって命に関わる病気であり、在宅で安全に食事をとるためのリハビリは非常に重要です。
しかし、何をどうすれば良いのか分からず、ご本人のつらそうな様子を見るたびに、ご家族の不安は増すばかりです。専門的なリハビリを受けさせたくても、通院が難しく、どうすればいいか悩んでいる方も多いでしょう。
なぜ嚥下機能は低下するのか?放置した場合のリスク
嚥下機能は、加齢や病気(脳梗塞、パーキンソン病など)によって、口、舌、のど、そして首や肩の筋肉が衰えることで低下します。
この状態を放置すると、以下のようなリスクが高まります。
- 誤嚥性肺炎: 食べ物などが気管に入り、細菌が肺で増殖して炎症を起こします。
- 栄養状態の悪化: 食事を避けるようになり、栄養が偏り、体重が減少します。
- 脱水症状: 飲み込みにくさから水分摂取を控え、脱水につながります。
これらの問題は、ご本人のQOL(生活の質)を著しく低下させ、介護をするご家族の負担を増やしてしまいます。
秦野市にお住まいの高齢者のご家族からは、「親が脳梗塞の後遺症で、食事のたびにむせるので、何をどこまで食べさせていいのか不安」というご相談をいただきました。このように、在宅での嚥下ケアは、ご本人の命を守るだけでなく、ご家族の精神的な負担を軽減するためにも不可欠です。
誤嚥を減らすための「座位づくり」とクッション配置
誤嚥性肺炎を予防するには、食事の際の姿勢が最も重要です。ご自宅でできるポジショニングの工夫をご紹介します。
- 正しい姿勢の角度: 椅子に座る際、背もたれを90度よりやや後ろに傾け(約100度)、頭が少し前を向くように調整します。これにより、食べ物が食道へとスムーズに流れやすくなります。
- クッションの配置: 背中や首にクッションを置くことで、安定した姿勢を保ち、体がぐらつくのを防ぎます。足の裏がしっかりと床についているかも確認しましょう。
- 口元の高さを調整: 食事台の高さや、スプーンの位置を調整し、ご本人が無理なく口に運べる高さにします。
これらの在宅でのケアを、訪問マッサージやリハビリの際に専門家と一緒に確認することで、より安全な嚥下をサポートできます。
訪問マッサージが嚥下機能をサポート
嚥下機能を維持・向上させるには、口、舌、のどだけでなく、首や肩の筋肉をほぐすことも大切です。当院の訪問マッサージは、誤嚥性肺炎の予防に役立つリハビリ的機能訓練を提供します。
- 首・肩まわりのマッサージ: 首や肩の筋肉が凝り固まっていると、嚥下に必要な筋肉の動きが妨げられます。やさしいマッサージで緊張をほぐし、スムーズな嚥下をサポートします。
- 口周りの筋緊張を調整: 口周りの筋肉をほぐし、食事に必要な咀嚼や飲み込みの動きをサポートします。
- 機能訓練:体の姿勢を整え、飲み込みをサポート: 嚥下機能は、口や喉だけでなく、全身の姿勢にも深く関係しています。例えば、猫背になっていたり、体が左右に傾いていたりすると、むせやすくなります。当院では、正しい姿勢を保つための簡単な運動も行い、安全に食事ができる体づくりを目指します。
はだの
訪問マッサージを受けている高齢の患者様からは、「食事中のむせ込みが減った」「以前よりも安心して食事が楽しめるようになった」という喜びの声をいただきました。
病院リハビリとの違いとご家族の見守りポイント
病院でのリハビリは、言語聴覚士など専門職が嚥下機能の精密な検査や集中的な訓練を行うことが中心です。
一方、訪問マッサージは、退院後も在宅で日々の身体的なケアを継続的に担う役割があります。嚥下機能そのものを直接訓練するのではなく、嚥下をサポートする体の状態を整えることに貢献します。
- 見守りポイント: 食事中は、むせ込みがないか、食べ物が口の中に残っていないかなどを確認しましょう。
- 水分や食事の工夫: とろみ剤を活用したり、食材を細かく刻んだり、飲み込みやすい工夫も大切です。
まとめ
嚥下機能の低下は、誤嚥性肺炎という重大なリスクにつながります。しかし、食事中の姿勢や在宅でのリハビリ的ケアを続けることで、QOLを維持し、安全に食事を楽しむことが可能です。
平塚市・秦野市を中心に活動するやよいマッサージ治療院は、国家資格者がご自宅までお伺いし、医療保険を利用した訪問マッサージとリハビリで、ご本人とご家族の不安に寄り添います。
「安全に食事をさせてあげたい」「食事の時間を、もっと穏やかに過ごしたい」
そう願うあなたを、私たちは全力でサポートします。お気軽にご相談ください。