「昨日できたことを、今日もできるように」――パーキンソン病とリハビリの日々

パーキンソン病の方と関わるようになって、いつも感じることがあります。
それは、昨日できたことが今日もできるかどうかという不安と、毎日向き合っていらっしゃるということです。

手足が動きにくい、思うように歩けない。
服を着るのにも、箸を使うのにも、時間がかかってしまいます。

それでも「できることを少しでも自分の力で続けたい」という思いを、多くの方が持っていらっしゃいます。
その気持ちこそが、パーキンソン病のリハビリの出発点だと思います。


「リハビリ」と聞くと構えてしまうけれど

「リハビリ」と聞くと、病院で特別な運動をするようなイメージを持たれる方も多いかもしれません。

ですが、パーキンソン病のリハビリで大切なのは、日常生活の中で少しずつ体を動かし続けることです。

特別な器具がなくても、家の中でできることはたくさんあります。
たとえば、テレビを見ながら肩を回したり、歯みがきをしながら足踏みしたりするだけでも十分です。

そんな小さな動きも、立派なリハビリになります。


体を動かすことが、未来を守ります

この病気にとって、一番の敵は「動かなくなること」だと感じています。

体がこわばると、転びやすくなり、歩幅も狭くなり、筋力が落ちてしまいます。
だからこそ「動くことを諦めない」という姿勢が、とても大切なのです。

少しでも良いので、毎日続けることが、未来の自分を守る力につながると思います。


どんなことをやればいいのでしょう?

「具体的にどんな運動をすればいいの?」とよく尋ねられます。

難しく考える必要はありません。
次のようなポイントを押さえておくと良いと思います。

  1. 体をほぐすストレッチ
     首や肩、腰や足を、ゆっくりと大きく動かします。深呼吸をしながら行うと、さらに効果的です。
  2. 筋力を維持する運動
     イスから立ち上がる動作や、軽いスクワットがおすすめです。転倒に注意しながら、無理のない範囲で行いましょう。
  3. バランスを鍛える動き
     片足立ちや体重移動の練習が役立ちます。ふらつく方は、誰かにそばにいてもらうと安心です。
  4. 歩行訓練
     歩幅を意識して大きく歩くことや、リズムをつけて歩くことが大切です。音楽やメトロノームを活用するのも良い方法です。

リハビリは「ひとりで頑張りすぎない」こと

パーキンソン病のリハビリでは、頑張りすぎて疲れ切ってしまうことが一番良くありません。

疲れたら休む。無理な日は休む。
そして家族や周りの方、専門家に相談することが大切です。

「一人で全部やらなければ」と思い込まないことが、長く続けるためのコツだと感じます。


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